田代路−NO.06


田代路
NO.06

■早口川・岩瀬川沿いの村々の物資の集散地

長坂一里塚跡
■田代町(現大館市)に入ってすぐ戸潟神社に出会うが、この裏手の山道は明治天皇御巡幸の時に整備された道であり、太平山の周辺と併せて歩いてみると昔の道の雰囲気を実感できる。
■国道に建つ羽州街道の標識にしたがって長坂に向かう道もまた往時を偲ぶことができ、お茶屋もあったという街道の村を抜けると一里塚跡に古い松の木や安政年間の庚申塚などが目に入る。
■長坂から丸山、坂地へと緩い起伏の続く道をたどると、左手奥に田代岳や十ノ瀬山、二子山が望まれる。坂地は対岸の出口へ早口川の渡しがあり、四の日には三斎市が開かれる商業地であった。
■JR早口駅前周辺の商店街を通り抜け、杉子沢から伊勢堂下までは神明山(岩瀬山)の南裾に羽州街道はつづく。早口川と並ぶ大きな川である岩瀬川を渡ると岩瀬の集落の中に、元禄年間に伊勢から移住したという豪商松坂屋、伊多波武助の屋敷跡がある。
■慶長金山など鉱山経営や御用船手配などで豪商のなを欲しいままにした伊多波家の井戸跡が今に残り、対岸に見える神明社の石段も武助の寄進という。
■早口川や岩瀬川のあたりは、鉱物、木材、米、海産物などなど数々の物資が集散された所で、陸の道と川の道が交錯し、かなりの賑わいを見せたものと思う。
■早口の町を歩いていると、不思議なことにさまざまな思いが放射線状に山や川、村々に広がってゆくことに気づかされることだろう。


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