仮設住宅の冬


【NO.05】

 


 
























 

■雪が空から舞い降りてくる季節がやってきた。ここで被災地の仮設住宅に住む人びとのことを思う。

■東京の冬では寒いことは寒いが雪が降らない。しかし、気圧の配置で雪が降ると、電車は止まる、転んで骨折して病院へ運ばれる人など、大変なニュースとなる。

■同じ日本でも、それほど環境や経験が違う。被災地の仮設住宅の冬の厳しさを訴える深刻な声を聞く。窓は二重サッシでなければ、特に高齢者には寒さに耐えられないだろう。

■暦では23日が「小雪」。あまりに対応が遅くはないか。何事も遅きに失すれば、死者さえ出かねない。長らく東京一極集中に慣れ込んだ思考は、みちのくの寒冷な冬など想像もつかないのだろう。

■国会審議をテレビで見ていて、そう思う。音だけ聞いていると、国会議員と官僚の区別がつかない。現場感覚の薄い乾いた言葉と、想像力の衰退ぶりは、いや増すばかりだ。仮設住宅の人びともテレビの言葉を聞き流しているだろうか。

■瀕死の人の命を救うほどの重たい言葉もあれば、枯れて落ちるように軽い言葉もある。すでに震災後8ヶ月余り。震災地はあの日も雪が降っていた。

 

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