■奈良街道を北上し、般若寺や北山十八間戸で名高い奈良坂で柳生方面に分かれて丘陵地を8キロほど進む。開創は天平勝宝8年(756)ともいわれる。
■多宝塔に安置されている。1993年に比較的新しく指定されている。木造で像高98.8cmである。安元2年(1176)の作である。
■日本の代表する仏師の一人である運慶の手になる金剛界大日如来像。バランスのとれた体つき、きりっと引き締まった座勢をとった安定感のあるポーズである。
■目鼻立ちもくっきりとしていて、しなやかな曲線と曲面で構成される理知的な表情は瞑想的な表情をを浅く抑えている。
■無駄なく張りつめた弾力を感じさせる肉付きの腕や手・両脚、ぴったりと体にまとわれ、襞には自然な流れの勢いのある着衣など、実に神経の行き届いた的確な写実造形である。
■均整のとれたプロポーション、安定感のある座り方、玉眼を嵌入した引き締まった相好、柔らかな質感のある着衣など、理想的で隙のない写実表現が見事である。運慶25歳ころの作品。光背は周縁部を失うが、当時のものを伝えている。頭上の宝冠は後補である。
■多宝塔の前面のガラスで隔離されて近寄って覗き込まなければならない。お寺の変遷史と立地された地域の位置などを知れば、そのことが、わかるようである。ホームページの画像も借用できないようになっている。このお寺の考え方や姿勢はこんなものなのでしょうか。