国宝シリーズ(タイトル)

NO.04

東大寺/不空羂索観音立像

東大寺/不空羂索観音立像■東大寺法華堂(三月堂)の本尊である。堂内中央に設けられた八角二重仏壇上に安置されている。一手には必ず尊名である羂索をとっている。

■羂索とは古代インドの狩猟道具(狩猟用の投げ縄、または両端に金具を付けた捕縛縄)の一つで、これを投じて獲物を捕るように、悩める衆生を洩れなく救済し誓願を空しくすることがないというこの観音の本誓を示している。

■言い換えると、「不空」とは「むなしからず」、「羂索」は鳥獣魚を捕らえる縄。従って不空羂索観音とは「心念不空の索をもってあらゆる衆生をもれなく救済する観音」を意味する。

■日本では「不空羂索観音菩薩」、「不空羂索観世音菩薩」などさまざまな呼称がある。

■この観音像の作例はインドや中国には乏しく、日本でもいくつかの有名な像があるとは言え、作例はあまり多くはない。 よく知られているものの一つは、インドネシアのジャワの王朝シンガサリ朝のヴィシュヌワルダナ王の像がこの姿の仏像として刻まれている。

■像容は、経典には様々な姿が説かれるが、いずれも多臂(多くの腕)を持ち、シカの毛皮を身に纏うのが特徴である。この「野獣の毛皮を纏う」という点でヒンドゥー教の最高神の1柱シヴァ、特にその山岳神としての面と関係があるという説もある。また、シカとの関係から春日大社第一の神であるタケミカヅチの本地仏とされる。

■日本では一面三目八臂(額に縦に一目を有する)とする像容が通例で、立像、坐像ともにある。胸前で二手が合掌し、二手は与願印を結ぶ。その他の四手には、羂索や蓮華・錫杖・払子を持す。代表作としては、東大寺法華堂(三月堂)本尊の立像(奈良時代、国宝)が著名である。この像の存在自体が、奈良時代に不空羂索観音信仰があったことを如実に物語っている。西国札所である、興福寺南円堂本尊の坐像(鎌倉時代・康慶作、国宝)も著名である。

■不空羂索観音を本尊とする寺としては、奈良の新薬師寺の近くにある不空院が知られる。

■平安初期の檜(榧とも)の一材から彫りだした一木彫像の逸品です。362cm。脱活乾漆造り。



■画像や紹介文はホームページ/wikipediaなどから借用しました■



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