![]() ■『江戸川柳で読む平家物語』を初めとして以下、『江戸川柳で読む忠臣蔵』『江戸川柳で読む百人一首』など「江戸川柳シリーズ」を著している。 ■著書の背帯には次のような書き出しがある。 …………………………………………………………… …病死、死別、子育て───愛別離苦に耐えた藤沢周平。凛烈にして静謐な作品群はその人生との合わせ鏡でもある。ふるさとの風景、肉親、知己、療養所生活と業界紙務め、コーヒー、煙草、映画、生まれ故郷の味と方言など訳150のキーワード解析で浮かび上がる藤沢周平の人間観、生死観、文学観。誠実温厚でちょっぴり偏屈なこの作家の素顔は意外にユーモラスなものだった。ちょっといい話満載の評伝的事典…。 …………………………………………………………… ■「はじめ」の部分にはこう書かれている。 ……………………………………………………… …この本には主に藤沢周平の四冊のエッセイ集、「周平独言」、「小説の周辺」、「半生の記」「ふるさとへ廻る六部は」から、藤沢周平と関わりの深い人物、場所、学校、本、食べもの、映画など約150項目を抽出したものである。 ………………………………………………………………………… …約25年間にわたって書き綴られたものであるから、四冊を子細に読むと同じテーマ、題材がくりかえし取り上げられている。大は故郷(山形県、鶴岡市、生地の黄金村)、肉親(両親、兄弟、妻娘)、学校、療養所、俳句、業界紙から小は煙草、コーヒー、故郷の味などの嗜好品がある。 ………………………………………………………………………… …それらを項目ごとに一個所にまとめて、一つ一つを短い読み物に仕立てた。煙草を例にとると、初めて喫った幼児の体験から体調不良で禁煙にふみ切るまで、大げさに言えば煙草という小さな窓から覗いたこの作家の一生ということになる。全項目がそうとは言えないが、読み終えれば作家論や作品論ではない作家の素顔の一生が浮かび上がってくることを意図した。その意味ではきわめて俗的な評伝とも言える。 ………………………………………………………………………… …事典ふうに項目を五十音順に並べたので、時間的には前後錯綜しているが、どこから読み始めてもかまわないという利点もある。 ………………………………………………………………………… …作品(小説)については、長篇すべて(三十二篇)と短篇を三編に限定したのは次の理由による。 「溟い海」……デビュー作、オール讀物新人賞受賞作 「暗殺の年輪」……直木賞受賞作 「早春」……唯一の現代小説 …呼び方は原則として作家以前を小菅留治、以後は藤沢周平とするようにつとめたが、原則はあくまで原則にとどまっている。 ………………………………………………………………………… ■作家藤沢周平の人柄が滲み出てくるように構成されている。 ■是非とも手にとって読んでもらいたい一冊である。 |
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