再チャレンジ
安倍内閣に期待して
NO.19
◆政界の混乱に変わる首相。その就任にあたって、国民の多くが何かしらの期待を抱いてきたこはいうまでもない。それは、1年程度しかもたないのではなく、腰の落ち着いた政権で国の重要課題を解決してほしいということもその一つであった。
◆3年3ヶ月前の政権交代で華々しくデビューした鳩山由紀夫氏は「友愛」をモットーとした優しい政治に期待して。
◆翌年の菅直人氏には、市民運動活動家から政治家になった人の庶民に寄り添う姿勢が政治に反映されることを願って、昨年9月に誕生した野田佳彦氏の時は、雨の日も風の日も辻立ちして政策を訴えてきた愚直な人物像共感を覚えて。
◆しかし、稚拙な国会運営、施策の未熟な展開、党をまとめきれず国民の信頼を得られないリーダーシップから、いずれも短命に終わり、民主党はついに先の衆院選で壊滅的な敗北を喫し、政権を失った。
◆代わって自民党が躍進し、安倍晋三氏が26日、新しい首相に選ばれた。病気を理由に6年前に辞任した人の復活。母方の祖父と大叔父は首相、父方は祖父が衆議院議員、父は派閥の領袖と政治家一家に育った安倍氏は、世襲議員の象徴といえる。
◆52歳の首相の時は、病気もあってかひ弱い印象があったが、今度はどうか。首相への再登板は吉田茂以来64年ぶり。前回の内閣発足時に「再チャレンジが可能な社会」を訴えたが、自らも再チャレンジである。
◆挫折からはい上がった経験を、政治にどういかすか。多勢を得て主義主張を強硬に推し進める傲岸な「タカ派」ではなく、一度失敗した人々に思いやり、引き揚げ・押し上げる「ハト派」をお願いしたい。
●朝日…………「安倍内閣発足−再登板への期待と不安」
●読売…………「第2次安倍内閣 危機突破へ政権の総力を挙げよ」
●毎日…………「第2次安倍内閣 「自民の変化」を示す政治を」
●日経…………「安倍自民の力結集し政治の安定を」
●産経…………「第2次安倍内閣 「強い国」へ使命果たせ スピードと成果こそが勝負だ」
●東京…………「謙虚さをいつまでも 第2次安倍内閣発足」
(2012.12.27)