「財政破綻は待ったなし」
のウソ


【NO.11】

 


 
























 


■九段靖之介という覆面作家が書いた雑誌「WiLL」に載った記事。
 ◆以下紹介したい。『・・・おーい、誰か教えてくれ。不景気に増税すれば、景気が回復するのか。そんな経済理論があるなら教えてくれ』
 ◆目下、国会は与野党ともに増税の是非をめぐって揺れている。

■インフレの折りの増税はともかく、デフレに増税は禁じ手のはずだ。学者によっては「いま増税をやれば、二度と日本の経済は立ち直れない。致命的なことになる」と真っ当な主張をいう学者もいるが、一方で多くの学者が増税やむなしとしている。財政赤字はもう限界だ、財政再建は待ったなしだ、という財務省の広報に乗せられている。

■財務省のいうように、財政破綻はホントに待ったなしの状態なのか。かつて他ならぬ財務省が何と言ったか。02年、アメリカの格付け会社が日本国債をボツナワ並みとしたとき、財務省は数字を並べて、「これこのとおり、日本の財政は健全です」と世界に向けて喧伝した。

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・国債の95%は国民所有・政府(親)が国民(子供)からの借金
  [経済全体からは右のポケットから左のポケットにカネが移ったにすぎない]
・日本は通貨発行権をもっている。いざとなれば、お札を刷り増して何とでもなる
・自国通貨立ての国債のデフォルト(債務不履行)は、理論的にあり得ない 

■さらに日本は貯蓄超過国で、超過分は1,488兆円もある。経常黒字は17兆円で、252兆円の対外債権を持ち、外貨準備は100兆円もある。……そう主張したのは財務省ではなかったか。こんな金持ちの国がどこにある?野田首相は「いや、それは十年前の数字でして」というが、当時の財政赤字はすでに700兆円。それが840兆円になったからといって、増税を急ぐ理由にはならない。

■一口に840兆円の赤字というが、埋蔵金の存在を世に知らしめた高橋洋一によれば、財務省は650兆円の国民資産を隠している。高橋は財務官僚として、国のバランスシートをはじめて作った男だ。資産がどこにどれだけ存在するか、精査なくしてシートはできない。余計なことをしやがると、高橋は追い出された。高橋の主張がデタラメだと財務省がいうなら、ならばこれまでデタラメなシートを公示してきたのかという責任問題になる。

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■昨年夏、IMF専務理事ラガルドが、日本も消費税を15%に上げろと勧告した。日本の5%は低すぎる、国際水準並みにしろという意味だ。余計な内政干渉だが、これには次のように反論できる。

■日本のGDP(国民の稼ぎ)のうち、官が特別会計その他の名目で5割以上(かつては6割近く)を召し上げ、民の可処分は5割以下だ。くらべて欧米の場合、官の取り分は2〜3割で、残る6〜7割が民の可処分だ。つまり日本の官は、すでに様々名目をつけた税金で、民の可処分を存分に削っている。だから消費税5%が妥当なのです、と。

■それを財務省は言わずに、ラガルドを外圧として利用している。その尻馬に乗って安住財務相は消費税アップをG20で公約した。日本はIMFにアメリカに次ぐ資金を拠出し、財務省から理事を出している。篠原某が副専務理事だ。この篠原がNHKの取材に、ラガルドと同様の発言をしている。ラガルドの勧告も篠原の振り付け役かもしれない。要は、目下のドサクサに乗じて、国民経済なんぞそっちのけで、役人が天下り先に貯えるヘソクリを増やしたいだけの話だ。


 

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